プロ野球で良く聞く故障についてまとめてみた【基礎編①】

このページではプロ野球で良く耳にする「怪我・故障・手術」についての一般的な復帰時期や復帰例についてまとめていきます。
【基礎編①】では特定の怪我・故障・手術に言及する前に、基本的な《骨/靭帯・腱/筋肉》の役割・関係性などをとりあげます。

管理人はメディカルライターでもなく、このサイトも医療情報サイトでもないため過去の例と共にザックリとした情報をまとめたページです。詳しい医療情報をお求めの方は、専門のメディアなどをご確認下さい。

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骨/靭帯・腱/筋肉の基礎知識

まずはザックリ《骨 / 靭帯・腱 / 筋肉》これらの関係性について抑えていきます。

といっても骨については特に説明する必要も無いでしょう。
みんな大好きウィキペディアに脊椎動物において~リン酸カルシウムや~なんて出てきますが、まぁそういうのは良いんです。
骨は骨です。
筋肉も必要ないですかね?体を動かす組織です。

説明が必要なのは靭帯と腱でしょう。ざっくり言えば

靭帯は骨と骨をつなぎ関節の安定を助けるパーツ
腱は筋肉と骨をつなぎ関節を動かすパーツ

つまり、私達の体は
骨を靭帯で繋ぎ形を形成し、腱で骨にひっつけた筋肉によってそれらを動かしているわけです。

なお、治りやすい順番としては
筋肉>骨>靭帯・腱の順番になります。

骨と靭帯・腱では骨の方が重症と考えがちですが、靭帯・腱は血流が少なく再生力が非常に弱い組織なため靭帯・腱の方が骨よりも治りにくい故障です。(勿論、部位によって差があります)

まずはこの関係性を頭に入れておくと、報道を見た時に離脱が長引きそうなのかそうでもないのか、故障内容についてどういった物なのかというふわっとした雰囲気を掴みやすくなるかと思います。

靭帯と腱の違い

さて、靭帯と腱の違いは端的に言えば先に書いたように骨と骨を繋ぐ(靭帯)か、骨と筋肉を繋ぐ(腱)かとなりますが、もう少し具体的かつイメージしやすくしましょう。

は筋肉と骨を繋げるパーツですから、切れたり損傷すれば運動機能そのものが失われます。

つまり切れた部分は動きません。
よって直ちに離脱、治るまで固定して安静にという状態になるか、手術しましょうと進んでいきます。

の場合、関節の安定を助けるパーツであり、関節を動かす働きそのものはもっていません。

ですから仮に切れたとしても関節は動きます。
実際には靭帯が損傷する際、出血や腫れを伴いますので、それらが引くまで動かすのは厳しいですが、痛みが収まり筋肉が無事であれば動くことは動きます。

しかし、靭帯は再生力が弱く損傷した部分はそう簡単に治りません。
完全断裂であれば手術しない限りそのままです。

つまり筋肉など他の組織で関節の安定性をカバーしつつ動かしている様な状態となります。よく言われる筋肉で補強して保存療法……ってのはコレですね。

もっとピンポイントに具体例を挙げれば、肘のクリーニング手術からトミー・ジョン手術(靭帯再建手術)へと繋がる流れを考えるとわかりやすいかもしれません。

靭帯の損傷(部分断裂)→ 痛みが引きプレー可能に → 不安定になった関節内で骨がぶつかり欠けるなどのトラブル発生 → クリーニング手術 → 限界を迎えトミー・ジョン手術

勿論、筋肉による補強やフォームの改善で靭帯へのダメージを抑えると共にトラブルを防ぐことに成功しているケースもあります。また、最近ではPRP療法と呼ばれる靭帯そのものの再生力を補う手段も出てきています。

ともかく靭帯や腱の違い・特徴を理解することで、故障内容についての報道やコメントも多少読み解きやすくなるのではないでしょうか。

NIWAKA
NIWAKA

とりあえずの基本として靭帯と腱中心の話でした。

次回は混乱の起きやすい「総称・俗称・正式名・医学用語」などの表記についてやる予定。

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